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結だより

「結」には、「はなれているものをつなぎとめる」という意味があります。どうか人と人をつなぐための小さくても豊かな場所・力になれますように。

古い扉の前で

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ここ10年あまり、夏の終わりは朗読練習会をしています。
サークルのメンバー一人一人作品を持ち寄って一人ずつ朗読する、講師の先生のアドバイス・講評をうけるというスタイルです。
例会の作品とは違って自分が読みたいものを用意するのですが、これがなかなか決まりません。
毎年これが厳しくもありうれしくもあり・・・
10分から長くて20分のものを探すのが大変です。藤沢修平や山本周五郎の本にトライしたい気持ちはあるのですが、ちょうどよい長さのものが見つかりません。

今年は図書館では見つからず、どうしようかと家の本棚を眺めていると目についたのが「古い扉の前で」という本でした。
20年近くまえに確か、北千住で山本萌さん(書家・墨人)の個展があって誘われていったときに買ってきたものだと思います。

ぱらぱらと開いてみると全体がとてもやさしく美しい文章で日常の生活がつづられ、現代人の驕りなどに対してもチクリと書かれています。
ものを見る目のやさしさに引き付けられます。

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今年も水引草が咲きだした。去年も一昨年も咲いたように、涼し気にその細い穂をきらめかせて。
日当たりが悪くても不平もいわず、紅く初々しく点々の小花が咲いている。人影の揺らぎに、おのが身を小刻みにふるわせ、人の息も、風の息も花は黙って受け止める。・・・


我が家の庭にも水引草が咲いていますが、私はまったくまったくこのような感性は持ち合わせず、捉え方はできませんでしたから、この文を読んだときは驚きとともにちょっと感動的でした。

今年はこの本に決め、練習しています。が静だけに難しい。
読み終えるとひたひたと幸な気持ちを感じさせてくれる本です。
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